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日本の百年駅弁企業 広島駅弁当

日本の百年駅弁企業 広島駅弁当

2019/05/31
広島駅弁当は「広島ならではのもの」にこだわった駅弁を100年以上作り続けています。その人気の秘密を探るべく、会社を訪問。激動の道のりについて話を伺いました。

創業は1901年、広島駅での営業を開始

創業は1901年、広島駅での営業を開始
今から遡ること100余年、1901年に初代社長・中島卯吉氏が「中島改良軒」を創業。その後、中島改良軒を含む駅構内営業社5社が合併し、現在の「広島駅弁当」(通称「ひろしま駅弁」)が創立しました。戦時中は、各地へ鉄道で移動する兵士のために、途中の食事としてお弁当を供給することもあったそうです。

「復興第一号」原爆の被災からの再出発
1945年8月6日、広島市に原子爆弾が投下され、広島はもとより、ひろしま駅弁の社屋も消滅してしまいました。しかし、ここから小さな弁当屋が立ち上がります!中島社長が周りの下駄職人と大工5人に声をかけ、再建を決意。2ヵ月も経たないうちに、広島駅近くの焼野原に「外食券食堂」をオープン。これが『原爆投下後の広島市建築物許可第一号』となりました。「今こそ弁当を作らなければ」との一念が起こした、奇跡の再出発でした。
 

広島に新幹線がやってきた!

広島に新幹線がやってきた!
広島が原爆投下からの復興を遂げる中、日本は高度経済成長期に突入。広島にも新幹線がやってきました。そして、空前の旅行ブームが訪れ、駅弁の需要が拡大。駅弁業者も、400社を超えるほどになりました。もちろんこの時期、ひろしま駅弁も絶好調!今も愛され続けるロングセラー商品を、幾つも開発しました。
 

ひろしま駅弁には「広島そのもの」が詰まっている!

ひろしま駅弁には「広島そのもの」が詰まっている!
現在「ザ・広島ブランド」に認定されている「しゃもじかきめし」も、40年以上にわたって愛される人気駅弁のひとつです。容器は宮島の名産品「しゃもじ」をかたどり、縁起の良いお弁当として大変人気があります。この「しゃもじかきめし」に代表されるように、ひろしま駅弁のお弁当には、食材はもちろんのこと、郷土料理や文化など「広島ならでは」のものがたっぷりと詰まっているのです。

阪神大震災、そして訪れる岐路
駅弁人気が高まる中、さらなる躍進を!と明るい未来を描いていた最中、突然大きな衝撃が走ります。1995年、阪神・淡路大震災の発生。兵庫県を中心に、西日本は甚大な被害に見舞われました。この震災により交通網も完全に遮断。駅弁の売り上げは激減しました。

変わるべきことと、変わらないもの
創業100年を前にして社長に就任した中島和雄氏(現社長)は、この未曾有の危機に際して、ひとつの大きな決断をしたそうです。それは、駅弁や催事食だけではなく「1日3食、年間365日、合計1,095回の食の市場に挑戦しよう」というもの。今まで未知の領域だった、惣菜売り場やデリバリーにも参入。100年以上「安全」「安心」で美味しい弁当を作り続けたノウハウを活かしての、独自の「イノベーション」を実践、成功させたのです。
 

開発担当者に聞く!ひろしま駅弁が愛される理由

開発担当者に聞く!ひろしま駅弁が愛される理由
開発担当者に聞く!ひろしま駅弁が愛される理由
開発担当者に聞く!ひろしま駅弁が愛される理由
駅弁を作り続けること45年!商品部で勤務する土居さんに、ひろしま駅弁が長年愛され続ける秘密と、弁当作りへのこだわりについて、話を伺いました。

話を伺った人
カープファン歴数十年の土居さん。好きなカープの選手は黒田選手だそうです。


「日本の弁当文化を、後世に残したいのです」


入社のきっかけですか?だいぶ前のことですからね(笑)。でも、やはり食べることが好きでした。当時、祖母や母が作るお弁当というのは、今の時代の尺度で見ても、とてもバランスがいいんですよ。油ものが少なく、栄養分が豊富。お弁当ひとつの中に、先人たちの知恵が詰まっていました。それを自分の世代で終わらせない、次の世代にも伝えたい、という気持ちが大きかったと思います。


「自信作の駅弁ですか?もちろんあります!」


うちはとにかく広島の食材、地産地消にこだわりを持っています。代表的なもので言えば、穴子や牡蠣でしょうか。ポリシーは、これも母譲りなのですが「甘い、辛い、すっぱいの3つを入れる」こと。そして「美味しくないものは入れない」ことです(笑)。今まで何百というお弁当を開発してきました。自信作はいろいろありますが、1つ選ぶのであれば「廣島上等弁当」です。これは古い資料をもとに、100年前の創業当初の駅弁を再現したものなのですが、試行錯誤した分、とても美味しく仕上がったと思います。


「カープの選手に会いに、キャンプにも行きました」


広島が地元なので、広島東洋カープにちなんだお弁当も開発しています。選手の好みを聞いたり、出身地の郷土料理を入れたり。選手それぞれ、1年ごとにお弁当の中身を変えるので、作る側は結構大変なんですよ。思い出深いのは、去年引退を発表した黒田選手のお弁当。大きなおむすびの中に煮玉子を1個まるごと入れた、ボリューム満点弁当です!シーズン前の宮崎でのキャンプにお伺いし、黒田選手本人にご確認いただいたことを今も覚えています。




「本質にぶれがない、それはすごいこと!」


私は代々の社長のもとで働いてきましたが、代が変わっても皆さん同じことをおっしゃいます。それは「お弁当には物語がある」こと、そして「美味しいものを届ける」ということ。だからこそ私たちは、時代の変化は意識しつつも、ぶれずにお弁当を作り続けられるのだと思います。これからも作り手の真心と郷土料理の素晴らしさを、日本をはじめ、海外の方にもお届けできればと思っています。

(写真)
広島駅弁当の皆さんは、地元広島出身の方が多いそうです。もちろん皆さんカープファン!黒田選手ファンの藤本さんと、大野選手ファンの兼定さんとともに。
 

蔡記者の体験記 「ひろしま駅弁」の売り子にチャレンジ!

蔡記者の体験記 「ひろしま駅弁」の売り子にチャレンジ!
日本放題編集部の蔡さんが、広島駅で実際に駅弁を売ってみた!ドキドキはらはらの体験レポートです♪

ア・サイ
台湾台北出身、東京在住中。「日本放題」編集者になって丸1年。日本各地での体当たり取材にも最近やっと慣れてきましたよ~。
 

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広島駅新幹線口構内にある「おみやげ街道」。
 

#02

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奥にひろしま駅弁の店舗「あじろや」があります。あなごや牡蠣など、地元の食材をふんだんに使ったお弁当が並んでいます。
 

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ユニフォームに着替えて、いざ売り子体験開始!
 

#4

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まずは売り子歴7年のベテラン、中野信子さんに、袋への詰め方を教わります。丁寧に、かつ急いでいるお客様のためにスピーディーに渡すのがポイントだとか。
 

#5

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どきどき…緊張しながら、お客様が来るのを待ちます。
 

#6

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午前11時。お客様が次から次へとお弁当を買いに来ました!
 

#7

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迷っているお客様には、おすすめのお弁当をご紹介。ひろしま駅弁のお弁当は、どれも美味しそう。なかなかひとつを選べない気持ち、よくわかります!
 

#8

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店内ではなんと、あなごを焼いているんです!焼きたてのあなごを、ホカホカのご飯の上にのせた「活あなごめし」は、海外からのお客様にも大人気です。
 

#9

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スペインからのお客様が来店!やはり「活あなごめし」をご注文。
 

#10

#10
牡蠣を使ったお弁当も大人気!入荷待ち、完売が相次ぎ、売り子も大忙しです。
 

#11

#11
中野さんの指導のおかげで、なんとか今日の仕事は終了!「上手だったよ」と優しく声をかけてくれました(涙)。
 

取材後記

取材後記
中野さんは「うちのお弁当は、本当に美味しいのよ!」「自分がおすすめしたお弁当を気に入って、お客様がまた来てくれたときが、一番幸せ」とおっしゃいました。お客様にお弁当をただ売るのではなく、真心を込めることの大切さを教えてもらいました。私もきちんと、自分の気持ちを届けられたでしょうか。ちなみに私の「押し弁当」は、広島の名物がたくさん入った「広島旅弁当」です!